遺言書が残されたら

遺言書は、亡くなった人の最終的な意思であり最優先で執行される。
民法では遺言書による相続が法定相続より優先されています。だからといって、どんな内容でも実行されるわけではありません。遺言ができない事柄もありますし、不備などから無効になる場合もあります。また、相続人全員の意見が一致すれば遺言に従わなくてもかまいません。
●一般的な遺言の種類
一般的遺言は、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の2種類です。
このうち、「公正証書遺言」は、いつ開封してもかまいませんが、「自筆証書遺言」は、家庭裁判所で開封し、「検認」を受けなければなりません。

一般的な遺言の種類

自筆証書遺言 公正証書遺言
遺言の作成方法 本人が自筆で遺言を書き、署名と日付を書いて押印する。 遺言者と証人2人が公証人役場に行き、公証人が作成(例外として在宅作成も可能)
遺言した事柄無効になる可能性 書式違反、内容不明で無効になることがある。 無効になることはほとんどない。
紛失・隠匿のそれ ある ない
偽装・変造のおそれ ある ない
保管場所 本人が保管する 原本は公証人役場に、正本は本人が保管する。
発見されない可能性 死後に見つからないことはある 存在を明確にできるのでその可能背はない。
家庭裁判の検認 必要 不要

遺言が無効になる場合

自筆証書遺言の場合以下のようなときは無効になります。

 

自筆証書遺言の場合

@年月日がない
A押印がない
B訂正印がない
C署名がない
D全文自筆で書かれていない
(代筆、ワープロ、パソコンなどで記載されている。)

遺言は開封せずに検認手続きを受ける

封印された遺言書が出てきた場合は、たとえ相続人が全員そろっていたとしても開封してはいけません。そのまま家庭裁判所に提出して検認手続きを受けなければなりません。開封しても遺言が無効になるわけではありませんが、トラブルを避けるためにも検認は必要不可欠です。
封印のあるものを勝手に開封すると5万円以下の過料に処せられます。封印のない遺言書もこの検認手続きが必要です。

 

●検認手続きとは
家庭裁判所が、提出された遺言書を相続人またはその代理人の立会のもとに開封し、形式や内容を調べて「検認証書」を作ることをいいます。遺言書の存在を明らかにして偽装、変造を防ぐために行われます。

 

●公正証書遺言
検認手続きが必要なものは、自筆証書遺言です。「公正証書遺言」の場合は、公証人役場で、2人以上の承認の立会のもとに遺言の内容を口述し、公証人が遺言を作成するので、検認手続きは不要です。

検認の申し立のしかた

申し立てる人

遺言書の発見者または保管者。

場所

相続開始地を管轄する家庭裁判所。

用意する物

@申し立て人の戸籍謄本
A遺言者の戸(除)籍謄本
B相続人全員の戸籍謄本
C受遺者(財産をもらった人)の戸籍謄本
D印鑑
E遺言一通につき収入印紙800円
※遺言は検認期日に持参します。
※事案よっては、この他にも資料が費用ような場合もあります。

いつまでに

相続開始後できるだけ早く。
遺言発見ごすぐ。

 

遺言が2通以上でてきたら

何通でてきても、一番新しい日付のものが有効になります。新しい日付の遺言に、前の遺言と異なることが書かれてあれば、その部分に関して新しい遺言の内容が有効になります。新しい遺言に書いていないが、前の遺言に書かれている事に関しては前の遺言がそのまま有効です。

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